FMしまだ 2020年09月24日 放送 [国勢調査について]
この調査で何を調べるの?
国勢調査は、統計法という法律に基づいて、日本に住む全ての人・世帯を対象として5年に一度実施する国の最も重要な統計調査です。
外国人の方も対象であり、全ての世帯に回答する義務があります。アメリカ、中国、韓国、タイ、インドネシアなど、
世界各国でも実施しています。
それでは、この統計調査で何を調べるのかですが、男女の別の世帯人数、出生の年月、就業状態、従業地または通学地、住居の種類、住宅の建て方など、
多くの項目を調べます。こんなことまで調べて、何の役に立っているのかが気になりますよね。
まずは、人口統計がわかります。この国勢調査は大正9年より開始しておりますが、5年前の平成27年の調査時、調査開始以来、
初めて人口が減少しました。また、人口ピラミッドも、この調査を元に形を決定しています。また、我が国の65歳以上人口の割合は、
諸外国に比べて急速に上昇を続けており、平成27年は26.6%と、4人に1人が65歳以上となっていることも確認できました。
その他にも、たくさんの結果が出ています。各都道府県の人口の増減率や、一般世帯の3分の1が単独世帯ということ、
25歳から34歳の未婚率が過去最高という結果も出ております。これは平成27年の結果ですが、男性が59%、女性が47%未婚ということで、
少子化という言葉の意味がこの結果からもよくわかります。また、外国人の増加率もわかります。
結果について詳細が気になる方は『国勢調査2020』のホームページをご覧になって下さい。
調査の結果は、市区町村の行政経費として必要な地方交付税を公平に配分するための基礎資料や、
福祉施策、雇用施策、食糧需給計画、防災対策、都市整備計画などの各種行政施策に欠くことのできない資料として利用されています。
そのほかにも生命保険料の算定、店舗などの配置計画など、民間企業でも、国勢調査の結果は利用されています。
年金問題や医療費の問題、その他に2,000万円問題も、この調査に何らかの影響を受けています。
行政からの強いお願い
この調査を拒否または虚偽の報告をすると、統計法違反により、50万円以下の罰金が設けられています。しかし、
法律に基づくものであるからといって、強制的に調査しても、必ずしもよい成果が得られるとは限りません。
国勢調査はきわめて重要な調査であり、その結果は行政を通じて私たちの生活に還元されます。強制と言いながらも、
行政からの強いお願いと言った調査に位置づけられるものですね。
国勢調査ですが、強制的に個人情報の開示を求められていることから、個人情報保護法が適用されないのか?といった疑問を耳にしますが、
個人を選別できない形にすることや、使用目的が限定されていることなどを理由に、個人情報保護法が適用されない事になっています。
個人を特定しないのなら、氏名を書く欄も不要だと感じますが、そこは言っても仕方ないことかもしれませんね。