FMしまだ 2020年06月25日 放送 [一般家庭への影響とポストコロナ]
「今」に置いていかれないで
緊急事態宣言が解除され、少しずつ経済活動が戻ってこようとしています。しかし、
経済への影響が明らかになるのはこれからではないでしょうか。自由を手に入れたと勘違いしている人もいる中、
その油断が巻き起こす第2波と言う恐怖におびえる方も少なくないと思います。どちらに進むかは、
今後の皆様の行動次第ですよね。
今回のような緊急時に使えるお金を常日頃から備えておくことが大切です。私たちはこの資金の事を緊急予備費と呼ぶことがあります。
厳しい期間中はこの緊急予備費を少しずつ取り崩しながらも、局面を乗り越える体力と気持ちを持つことが大切だと思います。
皆様はコロナショックの影響を受け、臨時的な出費は何かありましたか?
稼ぎ頭の夫は残業も減り早くに帰宅、家計の足しにしていた残業代が入らないので家計は厳しくなりますよね。
家で過ごす時間が長くなれば水道光熱費などもかさみ、ストレス発散のために食費が上がり、
更にその先ではネットショッピングでクリックしてお買い物。ライフプランニングを行う上ではかなりの悪循環ですが、
これが現状です。この他にもまだ原因はありますが、コロナの話になるとネガティブな話になる傾向があります。ただ、
クルーズ船でコロナが見つかってからもう4ヶ月半が経過しています。
そろそろ先に向かっていく話を交えてもいいのではないかと私は思っております。
どうなるポストコロナ
家計にとっての正念場はむしろポストコロナだといえるでしょう。アフターコロナと言った方がわかりやすいでしょうか、
コロナ後の時代の流れにどのように対応していくかだと思います。実感している方も多くいらっしゃると思いますが、
今後も収入の減少がじわじわと押し寄せてくる可能性があり、それでも今の水準の暮らしを維持して行かなければなりません。更には、
長期的な目線で見れば、収入を増やしていけるような体力を付けていかなければなりません。
コロナ禍で多くの企業がリモートワークに切り替えました。テレワークやペーパーレスといった言葉は以前からありましたが、
実行するのは大変で大多数が後回しにしてきました。それが今回の事で、
無理矢理リモートワークに切り替えたというのが実態ではないでしょうか。いざとなればできる、
これが日本企業の底力だと思います。
こうしたトライアルを機に、ポストコロナには本格的なリモートワークが広がることが予想されます。
すると次は何が起こるのか?おそらくは業務評価や報酬を見直す企業が増えるでしょう。
単純なところでは、通勤費が見直しの対象になります。どこに住んでいても仕事ができるのであれば、
住宅手当も支給されないかも知れません。リモートワークでの評価基準も整備され、
これまでとは異なるスキルが求められて、今より給料が上がる人もいれば下がる人も出てくるでしょう。
家庭への影響
私が一番関心を持っているのが、すでに値上げが始まっている食品についてです。緊急事態宣言下の4~5月は家庭での食事が増え、
「日持ちする野菜」の価格が顕著に上がりましたよね。
保存性の高い商品を買い溜めしようという消費者心理が働き、感染拡大前の1月に比べ、
自粛期間中の野菜の平均価格は大きくハネ上がりました。
- 【全国平均値(1kgあたり|1月→5月)】
- キャベツ 152円 → 250円
- 大 根 144円 → 193円
- にんじん 354円 → 450円
☆白菜は、卸売価格の約3倍まで上昇しました。
農業の働き手である外国人技能実習生が来日できず、収穫の人手不足から生産量が減少したことも、
高騰につながったと考えられますね。同じ理由でトマト、キュウリも出荷量が減り、価格に影響が出てきそうです。
コロナ禍で輸入が困難となった食品も、価格が上がりましたね。
生産地のロックダウンで収穫量が減少、輸送コストが上がっています。海外産に頼っている穀類やフルーツは入荷減が予測され、
レモンやチェリー、グレープフルーツ、アボカドも高騰が懸念されています。
アメリカでは食肉処理工場の閉鎖が相次ぎ、肉類が10~30%近く値上がりしています。豚小間が3割程度値上がりすると、
食肉業者の方が言っておりました。そして、これ以上に日本への影響が心配されるのは鶏肉です。
現在、輸入鶏肉の7~8割は、ブラジル産が占めています。同国では1日2万人以上の新規感染者が出ているため、
店頭での品薄や価格の高騰が起こります。牛肉や豚肉に比べて低価格な鶏肉は家計の味方ですよね。
食費への影響はとても深刻と言われております。