トピックス

トピックス

FMしまだ 2019年3月28日 放送 「生命保険の仕組み」

 

イチローの現役引退の速報を見て、1ファンとしてとても悲しみを感じました。

 

プレーも一流、マイクパフォーマンスも一流で、アメリカの各紙面では、マイケルジャクソンに並ぶ有名人だと好評化をしており、私たち日本人にとっては誇りだと思います。

そのイチローの経済効果は300億円以上とも言われており、スケールの大きさを感じます。

 

野球界だけでなく、他のスポーツからもイチロー選手に並ぶスター選手が誕生するのを楽しみに待つしかないですね。

 

ところで、新元号が発表されるまであとわずかとなりましたよね。安心の『安』と言う字を多くの方が予想されていますが、これは今の世の中を反映した字なのでしょうね。

 

渋谷の女子高生にこの新元号についてアンケートを取ったところ、この『安』を使ったものが一番票を集めていましたが、少数意見として『タピオカ』とか『卍』とかがあったことに、切なさを感じてしまいました。4月1日の発表が楽しみですね。

 

それでは本題に入ります。いつも、このコーナーでは生命保険を中心としたお話をしておりますが、そもそも生命保険の保険料ってどうやって決めているか知っていますか?

 

『生命保険料値上げ』という記事を目にしたと思ったら、今度は『数年ぶりに死亡保険料下げ』とのニュースが記憶に残っている方がいると思います。上げたり下げたり、生命保険の保険料っていったいどうやって決まるんだ! と疑問をもつ人が非常に多いじゃないですかね。

 

生命保険の値段のカラクリを理解するキーワードは、『2つの保険料』と『3つの予定率』です。

 

2つの保険料とは『純保険料』と『付加保険料』のことを言います。

 

『純保険料』とは、純粋に保険契約者のために使う(支払う)予定の保険料です。

 

具体的には死亡保険金・入院給付金・満期金・年金などの支払いにあてるお金で、保険会社によってあまり差があるものではありません。

 

一方で『付加保険料』は、保険会社が存続するために使う予定の保険料のことを言います。具体的には人件費や広告宣伝費など、経費の支払いにあてるお金で、保険会社によって大きな差があります。

 

3つの予定率とは、『予定死亡率』『予定利率』『予定事業費率』のことを言います。

 

1つ目の『予定死亡率』とは、ある年齢の人が一定期間に死亡する割合のことを言います。

 

例えば、20歳男性10人のグループと70歳男性10人のグループの予定死亡率は、70歳のほうが高いですよね。当然、保険会社が70歳グループに支払うお金が多くなります。そのため、予定死亡率が高いほうが純保険料は高くなります。年齢が高いほど保険料が高くなることは皆様もご存知ですよね。

 

2つ目の『予定利率』とは、簡単にいえば『割引率』のことを言います。

 

例えば、ある保険の保険料が10,000円だとします。保険会社は、契約者から受け取った保険料を運用しているって知っていましたか?株に投資したり、所有ビルを他の会社に貸して賃料を得たり、後はお金を貸して金利を得たりしています。そこで得た収入を、本来10,500円の保険料を10,000円に割り引いているんです。

 

運用成果が大きくなりそうなときは、割引率である『予定利率』も高くなります。そのため、『予定利率』が高いほうが『純保険料』が安くなるのはご理解いただけますか?

 

3つ目の『予定事業費率』とは、保険会社を経営していくうえで必要なコストの割合のことを言います。

 

同じ保険料を支払っても、従業員の給料が高かったり、テレビCMが多かったりすると、保険料のうち、コストが占める割合は高くなります。その為、『予定事業費率』が高いほうが付加保険料も高く、契約者にとっては割高な保険となってしまうんです。

 

ラジオをお聞きの皆様は、人気タレントが出演している保険会社のテレビCMを見ると、親近感がわいて加入しやすいという感情を持ちませんか?ましてや、好きな芸能人がテレビCMに出演していたら、それだけでその会社を選びたくなりませんか?保険料が割高になっている可能性がありますので、一度思い留まって考えてみてください。

 

保険会社はさまざまな指標やデータをもとに収支を計算し、保険商品を設計しています。指標やデータは一定期間で変更が行なわれるため、それに応じて商品の内容や保険料もその都度見直されています。

 

2017年4月から月払いの個人年金保険や学資保険など貯蓄型保険が大幅に値上げされました。これは日本銀行のマイナス金利政策の影響で、市場金利が下がり『予定利率』のもととなる『標準利率』と言うものが大幅に引き下げられたためなんです。標準利率は金融庁が定めており、これをもとに各生保会社が『予定利率』を決めています。こうなると、各保険会社は何を考えるかわかりますか?

 

『標準利率』の高い、外貨建ての保険商品の販売を開始しました。

 

返戻率の低い円建ての商品に比べ、お客様にとってとても納得のいく返戻率を確保できる商品が人気を集めました。

 

インフレの影響で物の値段が上がり続ける中、保険料が下がった商品もあります。昨年、2018年4月から値下げされるのは、定期保険や終身保険など死亡保険の保険料です。『生保標準生命表』が2007年以来11年ぶりに改定され、予定死亡率のもととなる『標準死亡率』が下がったからです。

 

長寿と言われ続けていた中、逆に生命表が11年も変わらなかったことに少し疑問を持ったこともありました。とは言え、保険料が下がることは、消費者である皆様にとっては嬉しいことですよね。

 

ちなみに、標準死亡率が下がると、保険料が値上げされる可能性がある商品があります。何だかわかりますか?

 

医療保険です。長生きが続けば入院のリスクも大きくなりますよね。

 

コストアップとなる医療保険は値上げされる可能性がある。

 

つまり、貯蓄性の高い保険は、2017年に一度値上がりして2018年に値下げされるかもしれません。2018年4月以前に加入されている生命保険は、一度見直しをしても良いのでは?