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FMしまだ 2019年1月31日 放送 「預金と投資」

 

1月14日は成人の日でしたよね。今年は125万人が大人の仲間入りをするとのことで、各地で華やかな成人式が行われたと思います。

 

昨年の成人式は『晴れの日』の事件や参加者の暴走などにより、少し荒れた年だと感じましたが、今年は意外と平和に終わりましたよね。

 

そんな新成人の考え方について、今と昔では、大きな差があることがわかりました。今日はその一部をご紹介しながら話を進めていきたいと思います。

 

皆さんは、二十歳の頃ってどんな事で悩んでいましたか?

私が二十歳の頃は友達関係や恋愛について結構悩んだことがありました。

 

某 調査会社の統計で、面白いものがありました。

 

例えば、二十歳の時に『幸せです!とか幸せでした!』と回答した割合新成人は80%、私達年代である40歳が76%と、 ここまではあまり変わりませんが、60歳になると90%以上の方が幸せだったと回答しています。

 

二十歳の時に『交際している相手がいる』と回答した割合が、新成人が32%に対して、40歳・60歳共に約51%と高い水準になっています。

 

最後に、二十歳の時に『不安を感じている』と回答した割合は、新成人が80%ととても高い割合を占めている一方で、 40歳が45%、60歳に関しては28%の方しか不安を感じていなかった結果となっております。不安を感じているか居ないかの数値は今と逆転していますよね。

 

更に、年代が高くなるにつれ、二十歳の頃は悩みがなかったという回答が増えています。

 

現在のようにスマホで何でも調べることができる時代と違って、余分な情報が入ってこなかったこともそうですが、預金などの金利が高かったことや、 あとは60代の方が若い頃って、バブルの影響もあって、しっかり給料が上がっていたんですね。悩みを軽減させる要因の一つだったと考えられます。

 

それでは、現在の二十歳の子達が『実際、何が不安なのか?』を調べてみました。

 

私たちの時代は、就職氷河期の真っ只中で『仕事』や『就職』について悩む人が多かったと思いますが、現在では1位が『今後の未来』、 2位が同率で『お金』や『仕事』の悩みが続いています。

 

もう少し噛み砕いていきますと、『収入が上がらない』とか『貯金が増えない』という悩みの一方で、 『浪費が止まらない』という回答がとても多く、将来とか仕事について悩みながらも、その殆どがお金がらみだということがわかりました。

 

20代はローンや家計費に支出する割合が少なく、比較的お金が自由になりやすい年代と言われております。 ここで使うか、貯めるかで、将来に大きな差が出るのは言うまでもありませんよね。

 

海外の状況を見ていきますと、アメリカの小学校では、投資の授業がカリキュラムに含まれており、 幼少期から投資をする学生も珍しくないってご存知でしたか?

 

また、たくさんの投資のロジックを生み出してきたイギリスでは、中学校で経済とか、金融教育を行います。"経済・金融知識が人間力の一つ"と考えられているからです。

 

世界では、このように学校の授業の中で"お金"について学んでいるところが多い中、日本はお金の授業がカリキュラムに組み込まれていないのが現状なんです。 取り入れてほしいという要望がたくさんありながら、重い腰を上げないのには何かしらの理由があると思いませんか?

 

その一つを解説しますね。

日本は、国民が金融機関に預けたお金を借りて成り立っているって知っていましたか?

 

日本銀行ってありますよね。通称、銀行の銀行と呼ばれている場所です。皆さんが預けたお金は、最終的には日本銀行に預けられ、 国はそこから借金をしているイメージで良いかと思います。

 

そのため、国民が金融機関にお金を預けてもらわなければ困っちゃいますよね。もし預けてもらえない状況が続いたらどうなると思いますか? 極論ではありますが、国は借金ができなくなり、国家予算を捻出できなくなってしまいます。

 

そのため、少し前までは、国はさまざまな手段を使って、「貯金は安全。投資や資産運用は危険。」というイメージを植え付けてきたような気がします。

 

投資や資産運用は危険であると思い込ませる為には、その勉強をしなければいいですよね。 これにより、国民の皆さんは何の疑問も持たず、貯金が一番安全と信じ込んできたんじゃないですかね。

 

仮に、国民が株式投資などの資産運用をはじめると、銀行など金融機関に預けるお金が減ります。

 

海外投資なんてされようものなら、お金が海外に流出してしまいますので、国内にないお金はどうすることもできなくなってしまいます。 お金があるほど国の力は強くなりますので、海外にお金が流れることを国は極端に嫌います。

 

もちろん、貯金は資産形成の基本ですが、それだけでは国の思うツボじゃないですか?

 

今まで、貯金は大切です!と言い続けてきた日本の考えに、少しずつ変化が見え始めています。

 

年金は現在、その50%が株式で運用されており、40%は海外資産で運用されているのを知っていましたか。預金が大切です!といった印象を与えておきながら、 自分たちはちゃっかり預金以外のものでしっかり投資をしているんです!

 

だから、投資の大切さは、政府のお墨付きってことなんですね。

年金の運用については『年金積立金管理運用独立行政法人』またはGPIFで検索していただければ運用状況が確認できます。

 

少し前からNISAとかiDecoが話題になっていますよね。低金利すぎて貯金ではお金を殖やすことができないので、 株等に投資しなさいという国からのメッセージだと思います。

 

ただ、先程もお話した通り、日本ってお金の教育を受けていませんよね。そんな人達が投資しろと言われても、何をしたらいいのかわからないじゃないですか。 実際、始めた方がよく相談に来ますが、投資として成立していないパターンがほとんどです。

国も制度を作っておきながら、結構無責任だと感じることもあります。

 

だから、いつもこの場をお借りして話している投資の三原則、『資産分散』『長期運用』『時間分散』の意味を知っているだけでも、だいぶ違ってくると思います。

 

お金を貯めるのに、いつからなんてありません。

ダイエットと一緒で、やると決めたその時がスタートだと思います。

いちばん大切なのは、自分にあったお金の貯め方を知ることだと思います。

 

一人ひとり方法が違うと思いますので、一度自分に合った貯め方を分析するのも面白いかもしれませんね。