マネートーク

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FMしまだ 2019年08月08日 放送              [将来設計をもう一度]


自分に合ったファンドを見つけよう


自力の備え「イデコ」

金融庁審議会の報告である2,000万円問題から、また一つ新たな話題が生まれました。 『確定拠出年金』って以前お話した内容を覚えていますか?
7月下旬の日本経済新聞に、『イデコ加入 全会社員に』~年金、自力の備え後押し~
と言う記事が掲載されていました。
と言われても、何のことかよくわからない方が多いと思いますので、 今日はこの記事について解説していきます。

『確定拠出年金』とは、一定額を毎月、預金や投資信託などの金融商品で運用し、 60歳以降に年金として受け取るものです。国が推奨している制度なので、税制面での優遇もあります。 そちらについては、後半で解説いたします。

『確定拠出年金』には、企業が掛け金を拠出する『企業型』と、個人が自ら積み立てる個人型があり、 個人型の方をiDeCoと呼んでいます。今年3月末時点での加入者は、企業型が約700万人に対して、 個人型が120万人と、個人型であるiDeCoの加入者の伸び悩みが課題になっています。

とは言え、老後資金2,000万円不足するとの話題が先走り、 若い世代にまで資産形成の関心が一気に高まったように感じます。現に、 公的年金を補完するイデコや、少額投資非課税制度であるNISAを使って、 老後資金を若いうちから積み立てる会社員が増え始めている事実もあるのです。
これは非常に良いことではありますが、いつも私が申し上げている通り、 ルールを知らないで始めることはお金を無駄にしてしまう可能性があります。100%熟知するのは難しいと思いますが、 必要最低限は覚えて下さいね。



個人型のメリット

企業型に加入している人は、労使間の合意があれば、個人型にも加入することができます。 しかし今の仕組みでは、企業が社員の個人型加入を認めた場合、企業の拠出額の上限が 5.5万円から3.5万円に引き下げられてしまいます。5.5万円企業から拠出してもらう社員ってそうは多くはありませんが、 将来受け取る年金の減額に繋がってしまう可能性を秘めており、 企業や働く人の多くから見直しを求める声が上がっていました。

そこで厚生労働省は、社員が個人型に加入する場合でも、 企業型の掛け金の上限を下げない方向で制度を見直すことになりました。来年度の国会の議案に盛り込み、 改正を目指していくそうです。
企業型と個人型が併用できるようになれば、会社員にとってメリットが発生します。
例えば、入社間もない社員に対して企業はそこまで多くの拠出をしてくれませんが、 個人型を併用すれば、一ヶ月に最大20,000円まで個人的に追加で積立をすることが可能になります。
積み立てた金額はご自身で投資先を決めますが、個人型を併用することにより、 その投資先は一気に膨らみます。

個人型は、運用次第で将来もらえる年金額が大きく変わりますが、 そこは少しお勉強すればご自身で投資先を見つけることができます。運用先によっては、 運用コストが高額になるファンドもあります。ここには注意するようにして下さい。



税制面での優遇

国が推奨する制度なので、税制面でのメリットがあります。まず1つ目は、 運用益が発生しても税金がかからないことです。商売をしていて利益が出ても、 又は会社から給料をもらっても、必ず儲けに対してかかってくるのが税金ですよね。iDeCoの場合、 運用益が発生しても、そこに税金がかからないことが大きなメリットです。
もう一つのメリットとして、掛け金は全額所得控除になることです。これはどういう事かというと、 掛け金が所得から差し引かれるため、年末調整や確定申告をした場合に税金が下がります。
どれだけの効果があるか、具体例をお伝えいたします。現在30歳で年収が500万円、 30年間に渡って毎月1万円拠出した場合、年収や税制が現在と全く変わらないと仮定すると、 所得税の節税効果は30年を通して約70万円となります。利回りで換算すると、年1%程になります。 1%が高いか安いかという話もありますが、この確定拠出年金には、いつも私がお話する、 長期運用・資産分散・時間分散の効果もあり、インフレにも対応しています。



ルールを知ってから始めよう

あともう一つ。ルールを知らなないまま始めること、 お金が無駄になると先程申し上げました。投資先がわからないから、 一番値動きの少ない定期預金のようなファンドに投資をして、 積立額が減らないことに満足している方が多くいらっしゃいます。
特に企業型に加入している方にこの傾向が見受けられますが、これは大きな勘違いです。 インフレに全く対応していないため、お金の価値が減り続けていることを知って下さい。また、 運用するのには、運用コストなどの手数料も発生しています。手数料分は、 額面からも減っていることをご確認下さい。

iDeCoとかNISAは、話題に乗って始めている方がたくさんおります。また、企業型の場合は、 会社で集団研修を行うため、自分にあった投資先を見つけ出すことが困難だと言われております。

そもそも国がここまで推奨しておきながら、学ぶ場が少なすぎるのも大きな問題だと思います。

既に始めている方、これから始めようとしている方、 一度ご自身にあったファンドを見つけに弊社に起こしいただければと思います。
来るか来ないかで、将来受け取る年金額は大きく差が出ると思います。
2,000万円問題が騒がれている今こそ、自分の将来設計を見つめ直すべきだと私は考えております。