マネートーク

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FMしまだ 2019年05月23日 放送              [増税するとどうなるの?お金のやりくりを考えよう]


消費税の増税と社会保険の充実


いよいよ増税。防衛せよ

いよいよ今年10月から実施される事が『一応』決まっていますよね。消費税率が2%アップすることで、 当然ですが家計の支出は増えます。

年収500万円の世帯をモデルにして調べてみたところ、増税に伴い年間約5万円の支出が増える事になりそうです。 たとえば家族4人で有名テーマパークに行くと5万円くらいにはなるでしょうから、 今回の増税によりそうしたお楽しみを1回我慢する必要がありそうですね。

税率が上がるのは仕方ないこととはいえ、増税や物価上昇の影響を最低限にできるように、 防衛のためにも、この機会に自分や家族の浪費癖、家計の見直しを行う事をお勧めいたします。



「子育て支援」で負担減・働きやすい社会

子育て支援策が充実する可能性があることはご存知ですか?そもそも今回の増税は、 社会保障の充実化が主な目的とされています。これは「社会保障と税の一体改革」の考え方のもと、 消費税率の引き上げ分は全額を社会保障の充実と安定化に使うとされているからで、 その具体的な使いみちが昨年2018年6月に閣議決定されています。
*内閣府のHP参照『経済財政運営と改革の基本方針2018』で検索

様々な項目の中で、私が興味を持ったのが「人づくり革命の実現と拡大」です。
子育て世帯の私としてはいつも気になっていた内容に、ようやく動きがみられそうですからね。
その内容は、ほとんどが子供の教育についての事です (下記参照1)
世界的に見て日本の学力は低下傾向にあります。ほか、 出生率の減少などといった日本が抱える様々な問題を、目に見える形で改善されていくのであれば、 今回の増税について若干は納得できる内容かもしれませんね。
実施時期についてですが、早いものであれば2019年10月の実施を目指すとされています。

例えば幼稚園保育料の無償化上限額は月額2万5,700円です*。
毎月2万5,700円の負担が減った分をすべて貯蓄した場合、年間約31万円、3年間で約92万円と、 貯蓄額を大きく増やすことができます。こうして見ると、今回の子育て支援策はまだ小さな子どものいる世帯や 所得が低い世帯に対しての対策に限られるようです。
*認可外保育施設の金額設定は年令によって異なる設定があります/ 一部の私立幼稚園ではこの金額を超えることもあります

一方、ある程度の所得がある世帯に対しては、待機児童の解消、職場復帰や転職を可能にするような教育の拡充といった 「働きやすい社会」の環境作りで対応しているといえます。



これからに備える「貯める仕組み」「殖やす仕組み」


「人生の最大資金」をカバーせよ

増税と聞くと、節約などで支出を抑えることばかりに目が行きがちですが、 今後もインフレの加速や更なる増税が続く可能性を考えると、 ずっと節約だけで対応するのは非現実的ですよね。教育費の準備、マイホーム取得、 老後資金という「人生の三大資金」をカバーするにはほど遠いのが現実です。 これからのお金を準備するには、「資産形成」のできる家計作りがポイントになってきます。 下記4項目をバランスよく稼働させていき、自分と家族の豊かな生活を目指しましょう。

1. 家計の無駄を見つける
節約だけでは…と言いましたが、やはり家計をやりくりする上での基本です。 家計簿をつけているなら1年間の支出を確認し、優先度の高いものはどれで、 どの項目ならやりくりできるかを家族で話し合いましょう。それぞれのお小遣いを減らすのは 心が虚しくならないためにも最終手段とし、家族全員でできることから取り組みましょう。

2. 収入を増やす
消費税の2%増に対して収入を2%増やす程度では、税金や社会保険料等がひかれるため、 増税額をカバーできないことも懸念されます。今後も増える可能性のある社会保険料の負担など考えると、 できれば年収5~10%増を目指したいものです。夫婦で家事や子育てを工夫をしてフルタイムで働いたり、 アルバイトや副業などでお金の入口を増やすなど、一過性に終わらない収入増を目指しましょう。
*副業は許可制や届出制などの規定を設けている会社もあります

3. お金を貯める
お金を貯めるには、貯めることを習慣化し、毎月こつこつ続けていくのが一番です。 そのためには「お金が入ったらまず貯蓄をして、残りを生活費等に充てる」 という先取り貯蓄をすること。そして預貯金だけでなく、 各種の保険やお金を積極的に増やす目的の金融商品などを組み合わせて、 「貯まる仕組み」を作ることです。手元にあるまとまったお金は遣ってしまいがち。 生活費の半年分の貯蓄ができたら、それ以上は投資などの資金として「増やす」 ことに利用しましょう。

4. お金を増やす
ここまで紹介したように「家計の無駄を見つける→収入を増やす→お金を貯める」という工夫で、 毎月少しずつ余裕資金が生まれているのではないでしょうか。その一部を使って、 こつこつと投資を続けていく「積立投資」という方法を活用してみましょう。これは名前の通り、 定期的に少しずつ積立方式で投資信託などを購入していくもの。そして、 このような少額からの長期・積立・分散投資を支援するため、 2018年1月から金融庁の政策の一環として「つみたてNISA」という制度も始まっています。

もちろん投資なので元本保証ではありませんが、長期で運用すると、 利益を投資に回してそれが利益を生むといった複利効果が大きくなることも期待できます。 たとえ月々の積立額は少なくても、長期運用によって大きな成果が得られる可能性もあるのです。
「家計」は自分と家族が生きていくために必要なお金を用意することです。消費税増税や景気動向を不安に思うより、 多少の変化にも耐えられる骨太の家計を作り上げることが大切だと思います。



【参照1】
(1)幼児教育の無償化…3歳から5歳までの全ての子供たちの幼稚園・保育所・認定こども園の費用を無償化する 0歳から2歳児については、住民税非課税世帯(年収270万円未満)を対象として無償化を進める
(2)真に支援が必要な、所得が低い家庭の子供たちに限り、大学などの高等教育無償化を実現する
(3)年収590万円未満世帯を対象とした私立高等学校授業料の実質無償化を実現する
(4)待機児童問題を解消し、女性就業率を高める「子育て安心プラン」を前倒しし、 2020年度末までに32万人分の受け皿整備を進める
(5)より長いスパンで個々人の人生の再設計が可能となる社会を実現するため、 何歳になっても学び直し、職場復帰、転職が可能となるリカレント教育を抜本的に拡充する